まだ夜が明けきらないうちに目を覚ました麻緒ちゃん。
「そうだ! ママに電話してみよう!」
「あー……。でも、突然こんなこと話したら、びっくりさせちゃうよなぁ」
いや、全然驚かないと思いますよ。
あの麻美ちゃんですから。
「あ、ママ? 実はね、私妊娠したみたいなの」
(えっ? 本当!?)
「私まだ結婚もしてないのに。ど、どうすればいいのかな……」
(孫!)
「えっ?」
(孫に会いたい!)
「ママー! まじめに聞いてよぉ~」
そうこうしてるうちに、その日の晩、また一段とお腹が大きくなりました。
「ママだって、素直と麻耶は一人で産んだんだもんね。私もできるよね。弘樹君や素直もいることだし、サボ恵もいるし」
ところが翌日、麻緒ちゃんはエカル君に呼び出されました。
「うわー。大きなお腹だなー」
ものめずらしげに麻緒ちゃんのお腹をさするエカル君。
「話ってなあに?」
「うーん。実は俺さ、付き合ってる人がいるんだけど……」
「え、ちょっと!」
「ご注文なににしやっすかぁー?」
「あ……」
なぜかやたら明るいウェイターに話を中断させられる二人。
なんなんだ、そのポーズ。
「で、そっちが話つくまで、時間がほしいんだ」
「うん……」
「でも、一応さ……」
「こんなものを用意してみましたー」
「!?」
「本当!? 本当にもらっていいの?」
「うん。その方が麻緒ちゃんも安心するだろう?」
「うわー。うれしいなー」
「ごめんな。俺、麻緒ちゃんの青春、一晩で終わらせたみたいで」
「君たち、夜行バスの旅にロマンを感じないか?」
なぜか二人の会話に混じってくる隣席の男。
何度か邪魔が入ったものの、食事を終えた二人。
妊婦の体力を気遣って、今日のデートはこれで終わりです。
「パパでちゅよー。早く出てきてねー」
「ふふ」
「産まれそうになったら、すぐに電話してくれな」
「うん。そうする」
麻緒ちゃん、よかったね。
The sims2プレイ環境
本体+キャンパス+ナイト+ショップ