後ろで素也君が辻井家の哲郎君に快調接客をしている時、麻美ちゃんがお店にまた来てくれました。
「いらっしゃい、麻美さん」
「こんばんは、おじさん」
素也君の心をまだ何も知らない麻美ちゃん。
無邪気にチップをくれました。
「素也君、接客うまくなったねー! これ、ほんの気持ち。受け取ってー」
「そ、そんなに気を使わなくてもいいのに……」
素也君、さすがにまだ麻美ちゃんに何もいえません。
なにせ、一児をもうけた仲ですから。
さて、章吾さん。
バイト君がやめて以来、人手が足りなくて給仕係になったはいいものの……。
不器用です。
お店の経営も最近落ち込み気味で、「恐れ」がバンバン叶ってしまう日々。
フォン・ボール教授に悩みを打ち明ける章吾さん。
そんな不毛なことやってる暇があったら、仕事してくださいって。
「じいさん、苦労してんな。これ、受け取れや」
お客さんに哀れまれる始末。
そんななか、モティマーさんがお店に来てくれました!
「いやー、あそこの医者はヤブでしたかー」
年寄り同士、医者の話題で盛り上がります。
こんな顔したお客さんにも、変わらず接客。
近所に変なサロンが開店したおかげで、被害者になったお客さんもちらほらやってくるのです。
今晩も、麻美ちゃんがお店に来てくれました。
すっかり常連さんですね。
そして牛も……。
「マスター、強いのちょうだい」
素也 「ど、どうぞ……」
牛 「ありがとう。あ、あんた付き合ってくれるの……?」
麻美 「……」
牛、理奈さんと何かあったんですか?
麻耶君、暇さえあれば一人でピアノを弾いてる芸術家。
家に来たお客さん達から、おひねりもたくさん稼いでます。
「おれ、これで生活していけるかも」
孤独が好きな、ちょっぴりひねくれものの麻耶君。
麻緒ちゃんや素直君とは違い、麻耶君は物心ついてからお父さんと会っていません。
それも、ひねくれてる理由の一つかも。
まあ、素直君もお父さんとはあんまり喋れてませんが。
お父さんが内気すぎて。
子どもが寝入ってから、そっと歩み寄るだけ。
お父さん、こんな人なのよ。
兄弟の中では一番のびのび育ったのが麻緒ちゃん。
天真爛漫な彼女、夜遅くなってからパジャマ姿で家を抜け出し……、
辻井家の衛君が車のハンドルを握って待っていました。
そうです。
麻緒ちゃん、友達と夜遊びなのです!
麻美ちゃんのことだから、夜遊びくらい言えば許してもらえるでしょうけど。
でも、こっそり抜け出すのがスリリング。
しっかり願望もかなって、麻緒ちゃんこの日は夜通し遊んで朝帰りでした。
「あーあ……。眠くてしょうがないよう……」
初めての夜遊び。
でも、まだまだ眠気にはかてないお年頃です。
朝ごはんです。
麻緒ちゃん、どうにか朝食までには目を覚ましました。
「お姉ちゃん、昨日は早くに部屋に戻ったのに。なんか、すごく眠そうだよ」
「夜遅くまで、ベッドで本読んじゃったの! そ、そう、ミステリーでさー、とちゅうでなかなかやめられなかったんだよねー」
「ね、ねぇママ、今日学校休んでいい? 眠くて死にそぅ」
「だめ!」
麻美ちゃん、お見通しです。
麻美ちゃんだって、麻緒ちゃんくらいの時に、夜遊びしたことがあるんですもの。
さて、スクールバスがやってきました。
透君達のお迎えのリムジンもやって来てます。
しかし、なっがいリムジンですねぇ。
スクールバスより長くないっすか……?
ま、麻緒ちゃん元気でいってらっしゃい!
「お姉ちゃん、今日僕、友達を連れてきたんだよ」
「ふーん、どんな子?」
こんな子。
「や! はじめまして!」
「……なんか、家のパパと激似てるんですケド……」
「俺、斉藤弘樹。俺の父さん、堀川弘」
「って、それマジ私のパパじゃん!!」
麻緒ちゃん、腹違いの弟と初対面です。
挨拶代わりに家族のキッス。
「パパったら……。信じられない」
「そぉか? 俺のことは母さんが企んだことらしいけど。俺は父さんと小さい頃に一度会って以来、電話もしてないよ」
「そ、そうなんだ。全然知らなかった……。パパも話してくれなかったもん」
「ねーねー、せっかくだから皆と遊びにいこーよ!」
「いいよ」
麻緒ちゃん、とんだことで弟が一人増えました。
(それにしても、ママも弘樹のこと知ってたのかしら……?)
それを思えば、こうして弘樹君がこの家にいるのが不思議に思えます。
一人平和にこげたロブスターを食す麻美ちゃん。
もぎゅもぎゅ、ごっくん
「友達が来てるのかしら? 居間が騒がしいわねー」
麻美ちゃんは、多分知っていると思いますよ……、麻緒ちゃん。
さて、麻緒ちゃんは弟達と、従兄弟達を連れてレストランにやってきました。
「お姉ちゃん、ここのレストラン、ちょっと高いんじゃない?」
「せっかく親族が集まったんだから、豪勢に行こうよ!」
「どうせあとで母さんに小遣いねだるんだろ」
ということで、お料理が来ました。
小心者の素直君はケーキ一切れ。
弘樹君は遠慮したのか、オムレツ。
詩乃ちゃんはハンバーガーですか。
あとの四人は豪勢にフライドチキンです。
おいおい。
食事の後、お皿を自分で下げる聖司君。
そんなのウエイターさんに任せなさいって!
お行儀がよすぎです。
食事の後は、おなじみの写真撮影。
「えへへ。また写真を撮っちゃった!」
弟と撮った初めての写真です。
なんにせよ、兄弟が増えて麻緒ちゃん嬉しそう。
アーケードゲームに打ち興じるその他弟達。
「弘樹君! 今日は付き合ってくれてありがとう。またね!」
「ん。またな」
「私も写真とっちゃった……」
詩乃ちゃんも聖司君と写真を撮りました。
パパとママにいいお土産ができましたね。
麻緒ちゃんたちが写真を撮っているうちに、麻耶君、カラオケで歌っていました。
家でピアノを弾きまくっているだけあって音感は抜群!
カラオケではじめて上手な歌を聴きましたよ!
あ、まぶし……!
こうして公共区の夜は更けていくのでした。
公共区から帰ってきた麻耶君達。
麻耶君、帰るなり目撃してしまいました。
新聞泥棒を。
お前は辻井家の真人!
ってか真人ちゃん!! 何やってんだよ、おまーは!!!
「ああ、はしゃぎすぎて疲れた……」
麻緒ちゃん、ベンチでダウン。
ちゃんと布団で寝なさいよ。
さて、今日は午後から私立学校の校長先生をお呼びしました。
麻美ちゃんや透君夫婦がたくさんお金を稼げるようになったので、麻緒ちゃんたちも、そろそろ私立学校に入学してもいい頃です。
「これはどうも……。いらっしゃいませ」
「いやいや、どうも」
内気な透君、必死で接待開始です。
「ええと、ここが姪の部屋で……」
姪は遊び疲れて眠ってますが。
そして部屋を見せるなり、異常なテンションで盛り上がる校長。
「こりゃあ最高の教育環境だ! ひゅーひゅー!!」
「ここがトイレで……」
「ぃやっはー!!」
「ここが風呂場で……」
「*△×○@!!!!」
校長の異常なテンションが続きます。
透君が校長を接待している頃、麻美ちゃんはディナーの用意。
ロブスターを焼いたんですが、この色は……。
麻美ちゃん、焦がしたな。
校長の異常なテンションも、このこげた料理で沈静化。
「ぶふっ……」
やっぱ苦かったか、校長。
「……お料理いかがです……?」
様子を窺う麻美ちゃん。
「あ、いえ、なかなかのお味ですよ」
このままでは食事スコアがピンチですー。
合格点まで後一歩!
最後は透君にかわって、麻美ちゃんお得意のトークで接待です!
「家の子達は学校から帰ったらすぐに宿題に取り掛かる、真面目ちゃんたちなんですの」
「ほう」
「麻緒はリーダーシップがありますし、素直は素直ですし、麻耶は学外活動もたいしたものです。姪や甥はほんとうに勉強家ですわ」
「それはすばらしい!」
麻美ちゃんのトークで、一気に点数がはいって、見事合格。
さすが麻美ちゃんです。
制服姿がかわいいですね。
今日から麻緒ちゃんたちは私立学校の生徒です!
そんな喜ばしい日、またしても玄関先に挙動不審の人物が……。
辺りをキョロキョロ。
「よぉっし……。誰も見てないな……」
……麻耶君がそこで宿題してるけどね……。
そして新聞どろぼう。
こらー!! 哲郎っ!!!
麻耶君、怒鳴ろうと慌てて宿題を地面におきますが、すでに遅しです。
真人といい、本当に辻井家のこの二人は悪い奴だなー!
麻緒ちゃん達もついに大学に行く日がやってきました。
「麻緒ー、たまには電話してきなさいよ」
「はーい」
「明日早いからもう寝なさーい」
「はーい」
二階では、透君が詩織さんに小言を言われていました。
何かしたの?
くどくどくど
どうやら透君、パソコンを壊したようです。
物を壊すと説教されるんですね。
「パソコンがなんだー! カミさんがなんだー!」
透君、カラオケで発散です。
麻美ちゃんは上手ですが、透君は……。
かなりひどいですね。
でこぼこデュエット。
麻緒ちゃん達が大学に行って、麻美ちゃん達もそろそろ老年期が目前です。
そんななか、麻美ちゃん、ようやく有名シェフになり生涯願望を叶えました!
そして……。
「弘君……」
「なんだ? 話って」
「麻緒も大学行っちゃったでしょ。私達も年をとったわね」
「そりゃあな」
「それで、もう一人くらい欲しいなって思うのよ。子ども」
「……ん。俺もちょっとそれを考えてた……」
「ファルク君はもう好きな人がいるみたいだし、素也君も最近よそよそしいし。気がついたら、私にはもう弘君しかいなくなっちゃってて」
「ふーん……。俺の方は、うまく行ってない女なんてお前くらいしかいないけどなー。まあ、理奈は例外だけどよ」
その後、麻美ちゃんは弘君といつになく長く話し込んで、お疲れ。
「はっ! 今私寝てた?」
めっさお疲れです。
その晩、弘君は泊まって行きました。
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